サポーター図鑑

Hinchas
Jan.01.2017

客人は幸せを運んでくる/サイード

マレーシアの港町マラッカに住むサイードは、朗らかなイスラム教徒。マラッカユナイテッドのACL出場を夢見て、今日も歌う。

サイード

サイード、28歳。筋金入りのマラッカ・ユナイテッドサポーターだ。サポがほとんどいない時代から、弟と一緒にスタジアムに通い続けてきたという。長らくマレーシアリーグ3部に低迷していたマラッカは、2016年ついに悲願の2部昇格を果たし、サイードはウハウハ笑いが止まらないのであった。

仕事はサッカーのファンショップ経営。「母が食堂をやっていたから、自分も店を持ちたくて」と22歳で開業した。はじめのうちは週末に露店を広げて資金を稼ぎ、いまでは市場の一画に小さな店舗を構える。イギリス、フランス、ドイツ、オランダ…など各国のサッカーファンが立ち寄ってくれるのが最高の楽しみだとか。「清水エスパルスのサポーターも来たよ」。

 

「夢はなに?」と聞いたら、「生きているあいだにマラッカがACLに出場するところを見たいなぁ。無理かなぁ。でも、ほら、リバプールがミランとチャンピオンリーグ決勝を闘ったとき、3-0で負けてたのにひっくり返したでしょ。諦めなければ夢は叶うかもしれないよねぇ。あぁ、でも無理かなぁ」とぶつぶつ自問自答するサイードであった。

サイードのことを思うとあったかい気持ちになる。「お腹空いたでしょ」とナシレマク(マレーシア風おにぎり)とテタレ(あま〜いミルクティ)とご馳走してくれたり、わたしがイラスト好きなことを知るとお気に入りの画集をプレゼントしてくれたり。そういう親切なところはお母さんゆずりなの?と聞くと、「そうかもなぁ。ムスリムには『ゲストは幸運をはこんでくる』っていう言葉があるから、お客さんにはできるかぎりのおもてなしをするんだよ」。

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