くまの足跡
Travel Diary
Jun.28.2016
ユーロ戦記「女神はてんとう虫?」
自国民からも見放されていたイタリア代表が、まさかの快進撃。その陰には小さな虫のご加護があったとか、なかったとか――。
いやはや、イタリアはわからない。大会前は「史上最低のアズーリ」と酷評されていたのに、強敵ベルギーに続いて今度は3連覇を狙うスペインを倒してしまった。
(街で見かけたイタリア人サポーター。レッジーナ時代の中村俊輔のユニフォームを着ていた!)
この快進撃には、陰の立役者がいるらしい。てんとう虫だ。
スウェーデン戦前にバルツァッリがピッチにてんとう虫を発見。「こんなところにいたら危ないよ」と助けてあげたら試合に勝ち、てんとう虫の恩返しだと話題になった。
そして昨日、スペイン戦前日のピッチ視察でバルツァッリがまたしてもてんとう虫を発見。元々、験を担ぎまくるイタリア人は「これは吉兆だ!」と盛り上がっていたのだ。
こうなったら次もお願いしたいもの。イタリア人は抜け目ないから、ドイツ戦が行なわれるボルドーのスタジアムに大量のてんとう虫を解き放ったりするかもしれない。
(イタリア名物ユニフォーム屋台。守護神ブッフォンの背番号1も人気)
それにしても今大会のイタリアは面白い。
バッジョやデル・ピエロ、トッティのような天才がいないことで、むしろ軍隊のような戦術的規律とリスクを恐れない豪胆さという、剥き出しのイタリアらしさが堪能できる。
包囲網を狭めてくるスペインに挑むかのように、ブッフォンは何度もゴールキックを近くの味方につなぎ、綱渡りのパスによってスペインの背後を突いた。これがイタリアの勝負度胸。このタレントで、これほどの勝負ができる。伝統の底力を感じずにはいられない。