路地を曲がればスタジアム
Stadiums
荒野に響く ”We are Reds!”
フーラードシャフル・スタジアム / Foolad Shahr Stadium
Isfahan, Iran イランの古都イスファハン、この響きにグッとくる浦和サポーターは多いはずだ。
「イランの真珠」と呼ばれる古都イスファハン、この地に浦和の赤い勇者たちが上陸したのは2007年11月上旬のこと。ACL初優勝をかけたセパハンとの決勝第1戦が、この地で行なわれました。
この一戦を1-1で引き分けた浦和は、ホームでの第2戦を制してアジア王者になりました。
それにしても過酷な遠征でした。イスファハンは標高1600㍍の高地。砂漠のため空気は乾燥していて、朝夕はものすごく冷え込むのです。そのためなのか観戦中、不思議な現象が起きました。意識が朦朧としてきて、いま見た場面をメモしようとしても、すぐに忘れてしまうのです。だれがパスを出して、だれがシュートしたのか、それがわからない。そんなの、いままでに経験したことがない出来事でした。試合後、ミックスゾーンで取材した選手も、多くが苦しそうに咳き込んでいました。こうした苦労を乗り越えて、浦和はアジアの頂点にたどり着いたのです。
そうそう、地元の人たちは大勢の浦和サポーターを目の当たりにして驚いていました。「女性もサッカーを応援するのか?」、「チェ・ゲバラの旗は何を意味するんだ?」、「いつも飛び跳ねながら叫んでいるのか?」と質問攻めにされました。アジア制覇、そのいちばんの立役者は敵地に駆けつけ、歌い続けたサポーターだったと思います。