壁画ライブラリー

Murals
Aug.04.2017

セレソンへの愛の結晶

Rio de Janeiro, Brasil2014 好評をいただいたワールドカップ壁画シリーズもついに最終回。とっておきの傑作をご覧ください。

住民とブラジル代表壁画の街角
黄色と緑のカナリア色に染まったリオの階段

カナリア色に染まった階段を降りていくと、タクシー越しに壁画が。

遠めに見えるブラジル代表壁画

気になったので近づいていくと……。

2014年のブラジル代表壁画

こ、これは! セレソンことブラジル代表イレブンの壁画でした! これだけで驚いてはいけません。この壁画の左には、冒頭の写真のようにたくさんの人々が描かれていたのです。

地元住民たちが描かれた壁画

描かれているのは没後20周年の伝説のレーサー、アイルトン・セナと地元の人々。グーンと拡大して、じっくりと見てください。シュラスコ(ブラジル風BBQ)を食べる人、踊る人、働く人、車イスの人、妊婦さん、サッカーする子ども……。だれもが活き活きと描かれています。ドイツやカナダの国旗を持った人は、おそらくルーツを示しているのでしょう。

異なるルーツの人々がひとつの旗の下に

この壁画は、地元「ベンジャミン・コンスタント通り」の住民たちが、お金を出し合って画家に描いてもらったものでした。

セレソンだけでも大変なのに、たくさんの住民を一人ひとり丁寧に描いていく……それはおそろしく手間がかかる作業です。しかし、壁画が完成に近づくにつれて、だれもが待ち焦がれる祝祭が近づいてくるのです。

この壁画には、ブラジルそのものが描かれています。

壁画の中には、老いと若き、男と女、白人、黒人、アジア系、さらには豊かな人と貧しい人というように、あらゆる人々が仲良く、楽しそうに暮らしています。異なるルーツ、背景を持つ人がカナリア色のシャツに袖を通して、セレソンの旗の下に集う。これがブラジルの素晴らしいところです。

おそらく、この通りの住民たちは何十年も前から、セレソンへの思いを絵に込めてワールドカップを迎えてきたのでしょう。セレソンと住民の顔ぶれは、4年ごとに少しずつ変わっていく。ロシア大会が開催される2018年、壁画にはきっと新しい仲間が加わっているはずです。こうしてブラジルの人々は、ワールドカップとともに人生を歩んでいるのです。

 

 

 

 

 

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