壁画ライブラリー

Murals
Jul.26.2016

あまりに長い壁の果てに…

TGVに乗ってリヨンからマルセイユに南下したわれわれは、到着した駅のホームで早速、立派な壁画を見つけ出した。

マルセイユ駅

採取日:2016年6月15日
採取地:マルセイユ/フランス

壁画部の快進撃は止まらない。ボルドー、リヨン、サンテチェンヌに続いてマルセイユでも、素晴らしい作品を発掘した。

マルセイユ・サンシャルル駅に到着した壁画部は、減速するTGVの車窓に美しい壁画を見つけた。南仏の澄み切った海を思わせる鮮やかな青の壁には《Bienvenue a Marseille(ようこそマルセイユへ)》という言葉が描かれていた。

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壁画のためなら労を惜しまない部員たち。長旅の疲れや重い荷物、焼けつく陽射しをものともせず、駅に降りると迷わず壁画へ歩き出す。その壁には、寺院や修道院といった街の名所が描かれていた。

それはあまりにも長い壁だった。

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50メートル、100メートルと歩みを進めながら、部員たちの脳裏に疑念が芽生え始めた。「このまま歩き続けても、徒労に終わるのでは……」。そう、部員たちの狙いはあくまでもサッカー壁画。どんなに美しい壁画でも、サッカーが描かれていなければ意味がないのだ。

 

だが、流した汗は最後に報われた。「ん? なんだあれは?」。壁の端に見つけた奇妙な白い楕円形、それは間近に近づいてみると、地元の強豪オリンピック・マルセイユの本拠地ヴェロドロームだったのだ。

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独特の形状の屋根を持つスタジアムは、寺院や修道院と並ぶ街の象徴。マルセイユのサッカー熱が、この作品に込められている。

前進あるのみ――。大きな教訓を得た壁画部、明日もまた素晴らしい作品を発見することだろう。

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