壁画ライブラリー
Murals
Aug.16.2016
まるで古豪の歴史絵巻
Moscow, Russia モスクワ郊外、川のほとりに古いスタジアムあり。壁画も古くて、なんともいい味わいなのだった。
採取日: 2015年7月10日
採取地: モスクワ/ロシア
採取地: モスクワ/ロシア
ヘンデルとグレーテルがパンくずなら、FC ROJI壁画部は「ステッカー」。
見知らぬ土地での壁画探しでは、ステッカーも目印となる。ステッカーとはウルトラス(熱狂的ファン)が電柱や壁に貼りつけたもの。それをたどっていくとスタジアムやグラウンド、もしくは溜まり場に行き当たり、その結果、壁画が見つかることもあるのだ。
そうしてたどり着いたのが、モスクワの古豪トルペド・モスクワのスタジアム。
それは実にちっぽけで古めかしいものだったが、周りの階段は壁画の宝庫であった。上位争いを演じていた旧ソ連時代の60年代を中心に、過去の名手、名将、会長の肖像が次々と出てきたのだ。
(背景のモスクワの風景がなんともいえず、味わい深い)
(階段を上がるたびに次々と名手たちが登場。テンションも上がる!)
(こちらはニコライ・バシリエフ。75年から85年にかけて活躍した攻撃の名手)
(こちらは名キーパー、バレリ・サリチェフ。Kリーグでも長く活躍し、韓国の市民権も持つ)
その中でも壁画部員を惹きつけたのが、これ。
トルペドの選手たちが、ビュンビュンと前線に飛び出していく戦術ボード。これは画期的だと思って調べてみると、右の人物は旧ソ連を代表する戦術家ビクトル・マスロフ(故人)であった。13年間、トルペドを率いた彼は、60年にリーグとカップの二冠を達成している。
この階段を通るたびに、サポーターたちはトルペドの偉大な歴史に思いを馳せるのだろう。FC ROJIは本作を「サッカー壁画遺産第2号」に認定する。