壁画ライブラリー
Murals
May.11.2017
塗りかけのトロフィ
Rio de Janeiro, Brasil2014 南米屈指の観光地リオは壁画だらけ。マラカナンの隣駅トリアジンで、たくさんのキャラクターが見つかりました。
最後に出てきたトロフィは、ペンキが足りなかったのか塗りかけでした。つまり完成途上。これもまた、ブラジルらしさが表われた作品です。
ブラジル・ワールドカップでは、スタジアム建設の遅れが不安視されていました。実際に、できるはずの屋根ができなかったり、雨漏りがするプレスセンターもありました。でも無事に試合が行なわれていれば、ブラジル的には「間に合った」ことになるのです。
この国は一事が万事、この調子。店を出すときも多少の準備不足に目をつぶり、とりあえずオープンするのだとか。「トラブルがあったら?」、「そのとき考えればいいさ」。予行演習を万全に行なってオープンに漕ぎつける、日本とは大違いです。
このスタイルの違いは、サッカーにも表われています。完成途上と割り切って試合をするブラジルは、トラブルが起きても慌てません。(ひどい結末を迎えることもありますが)試合を重ねるにつれて、徐々に完成度を高めていきます。一方、日本は万全の準備をして大会に臨み、試合中にトラブルが起きて慌てることが多々あります。
サッカーは何が起きるかわからないスポーツ。完璧主義もほどほどに……。